第二新卒の就活は厳しい?勝ち筋は「企業目線を意識する」こと

入社後3年未満で退職した第二新卒は、就活が厳しいといわれることもあります。しかし、第二新卒ならではの価値をアピールできれば、採用したいと考える企業も珍しくありません。の転職を成功させるポイントは「企業の目線」にあります。 今回は、第二新卒の就活が厳しいといわれる理由や成功のポイントを紹介します。


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第二新卒の就活が厳しいと言われる理由

第二新卒の就活が厳しいと言われる理由は、以下の4つです。

・第二新卒対象の求人数が少ない
すぐ辞めると思われがち
・転職活動の情報が入りにくい
社会人経験が浅い

それぞれの理由について、詳しく解説します。

第二新卒対象の求人数が少ない

第二新卒の就活が厳しい理由の1つ目は、第二新卒を対象とした求人数が少ないことです。

「第二新卒」という言葉自体、採用市場で聞かれるようになったのは2008年のリーマンショック後です。まだ定義もあいまいで、第二新卒の求人数は少ない傾向です。

企業によっては、第二新卒の採用枠を作らず、新卒採用枠として募集したり、中途採用枠で募集したりする場合もあります。

すぐ辞めると思われがち

第二新卒の就活が厳しい理由の2つ目は、第二新卒はすぐに辞めると思われていることです。

そもそも第二新卒は、新卒で入社して3年未満で退職した人のことを指しています。理由が何であっても“短期間で仕事を辞めた”という事実があるため、警戒する企業も少なくありません。

また、早期離職は採用コストの圧迫につながります。企業は採用コストをできるだけ抑えたいため、長期で勤めてくれる人を採用したいという考えをもっています。そのような背景から、第二新卒に対して慎重になる企業も多いのです。

 

転職活動の情報が入りにくい

第二新卒の就活が厳しい理由の3つ目は、転職活動の情報が入りにくいことです。

新卒採用で受ける場合は、合同説明会やインターンなどの採用イベントで、同じ就活生との情報共有ができます。志望企業の採用傾向なども、口コミや就活サイトなどで多く情報発信がされているでしょう。

一方、第二新卒での採用実績はどこの企業を見てもまだ少ない状況です。自分に役立つ採用情報を手に入れたいと思ったら、自ら社員に連絡を取ってOB訪問したり、第二新卒に特化したエージェントから支援を受けたりなど、新卒採用とは違う動きをしなければなりません。

市場に出回る情報が少ないことも、就活のハードルが高くなる理由のひとつです。

社会人経験が浅いと思われる

第二新卒の就活が厳しい理由の4つ目は、社会人経験が浅いと企業に評価されがちだからです。

「マナーが守れる」「基礎的なビジネススキルが身に付いている」といった人材を求めている企業の場合、採用基準に一定の社会人経験やスキルを設けている企業も多いです。

人手不足に悩んでいる企業のなかには、通年採用を積極的に取り入れている企業もあるでしょう。それでも第二新卒枠を設けていない場合は、「第二新卒は社会人経験がない」と評価していることが考えられます。

令和元年の就職者(大卒)約46万6千人のうち、2年以内にやめた新卒者は約10万人でした。約4分の1が2年の間にファーストキャリアを終えていることになります。
出典:「新規学校卒業就職者の在職期間別離職状況」(厚生労働省)

このことからも、実際に第二新卒の求職者は経験が浅い場合も多いです。職歴が浅いために即戦力としての期待値も低いことから、入社後の活躍に不安を覚える企業もいます。

企業が採用したくない第二新卒の特徴

企業から採用したくないと思われてしまう、第二新卒の就活が厳しい人の特徴は以下の4つです。

・前職の勤務期間が1年未満
・転職理由がネガティブ
自己分析が出来ていない
退職後に転職活動をしている

それぞれの特徴を詳しく解説します。

前職の勤務期間が1年未満

企業が採用したくない人の特徴の1つ目は、前職の勤務年数が1年未満であることです。

第二新卒枠を設けている場合でも、前職を1年未満で退職した人に対してはネガティブな印象をもちやすいです。

働いている会社が自分に合うかどうかを1年以内で判断していることから、企業にとっては本人の忍耐力やストレス耐性が懸念点になるためです。

前述のとおり、早期離職は企業にとって損失です。何らかの理由で求職者が「辞めざるを得なかった」場合でも、採用コスト圧迫のリスクを感じてしまうのです。

転職理由がネガティブ

企業が採用したくない人の特徴の2つ目は、転職理由がネガティブなことです。

転職理由にはさまざまありますが、退職理由にフォーカスしたネガティブな理由では、将来性を感じられません。

例えば、「上司と良い人間関係を築けなかった」「休みがなかなか確保できなかった」といった理由や、退職理由を他人の責任としているような求職者の場合、自社に来ても不満を持つのではないかと思ってしまうでしょう。

自己分析が出来ていない

企業が採用したくない人の特徴の3つ目は、自己分析ができていないことです。

自己分析ができていると、

・自分の強み、弱みが分かっている
・自分のモチベーションの源泉が分かっている
・自分の志向性が分かっている
・キャリア設計ができている

など、求職者にとっても、企業にとっても、多くのメリットがあります。

自己分析が不十分な場合、明確な志望動機や将来像を持てないまま選考を受けることになります。例え選考が進んでも「この企業で本当に良かったのか」と、自分の軸がないために意思決定の段階でぶれてしまうこともあります。

そのため、自己分析が不十分な求職者は、企業にとってはミスマッチする可能性が高く、早期離職のリスクもあるのです。

退職後に転職活動をしている

企業が採用したくない人の特徴の4つ目は、退職後に転職活動をしていることです。

退職後に転職活動を行うと、無収入の状態が続くことになります。そのため、企業側からみると、計画性がない印象をもつことも多いです。

また、経済的な不安があると人は精神的に追い込まれやすくなります。焦っている印象を与えてしまうと、企業側は「本音を伝えてないのではないか」と疑問を抱いたり、ミスマッチのリスクを感じたりしてしまいます。

転職の勝ち筋!企業目線で考える転職成功の6つのポイント

ここまで、企業が採用したくない第二新卒の特徴について説明してきました。

企業の懸念するところを払しょくしたうえで、自らのアピールポイントをしっかりと伝えることが転職成功のポイントです。

ここからは、企業の目線から考える転職成功のポイントを6つ解説します。

社会人としての基礎スキルをアピールする

一度社会を経験している第二新卒に求められるのは、社会人として必要なマナーや心構えです。基礎知識を身に付けてもらうための育成研修を行う必要がなく、教育コストが削減できるためです。

前職で顧客と折衝した経験をアピールしたり、面接では礼儀正しい立ち振る舞いを意識しましょう。

柔軟性をアピールする

社会人経験が長い人材を受け入れる際に懸念点となるのが、前職でのやり方が染みついてなかなか順応できないことです。例え能力が高くても、仕事の進め方や社会人としてのあり方に強いこだわりがある人材は退職リスクが高いです。

一方、第二新卒であれば企業の色がつく前に退職していることが多いでしょう。自社のやり方や雰囲気にすぐに慣れてくれそうと思ってもらえれば、好印象を与えます。

前職であらゆるお客様に接した経験や、臨機応変に対応したエピソードなどをアピールすると良いでしょう。

仕事に対するモチベーションの高さを伝える

転職で自分の理想を叶えたい、自分に合った仕事で成果を出したいなど、仕事に対する意欲の高い第二新卒者は評価をされやすいです。

転職者のなかには、「退職」をしたいから転職活動をしている人もいれば、「自分の理想を叶えるため」に転職活動をしている人もいます。

企業にとって、成果を出してくれそうな期待ができるのはもちろん後者です。

仕事を取捨選択せずに何でも全力で取り組む姿勢や、些細なことでは負けない強いメンタルをアピールすることで、企業からの評価も高まるでしょう。

長く勤めたい意思を明示する

「すぐに辞めるのではないか」という懸念を払しょくするため、腰を据えて働く意思を伝えましょう。

特に、転職を希望している企業の業務内容と、自分自身の将来ビジョンが一致している場合は、企業も安心して採用できるでしょう。

志望動機を作成する際は、転職理由と志望理由に論理性を持たせて一貫性のある内容にするのがポイントです。

ポジティブに伝える

前職での経験や退職理由などを企業に伝える際は、ポジティブな言葉を用いて表現しましょう。

一見テクニックのような話に思われますが、ネガティブな思いを抱くのはあなたの中に理想があるからともいえます。自分の「~が得たい」「~を達成したい」など、未来に意識を向けることで、自然とポジティブな表現ができるようになります。

例えば、

仕事でやりがいを感じられずに退職した→自分の目標達成のために転職が必要であった
人間関係に悩んで退職した→チームワークを重視している環境で働きたかった

など、転職で叶えたい事柄にフォーカスを当てることが成功のポイントです。

自己PRは具体的に伝える

自己PRは具体的に話すことを意識しましょう。根拠的な要素として、体験(エピソード)や数値的なメリットを伝えるのがおすすめです。

また、「パワーポイントを使って資料作成ができる」「エクセルとワードに関して基礎レベルは使いこなせる」といったスキル面でのアピールができれば、新卒との差別化になります。

学生時代の経験よりも、前職時代に得た経験のほうが再現性が高く、アピールポイントになります。さらに、これからの職務にどのように活かしていけるかをアピールすることで、評価を得やすくなるでしょう。

まとめ

第二新卒は社会人としてのスキルや経験が浅いものの、基本的なマナーを身に付けていたり、自己分析をしっかりと行っていたりすれば採用したいと考える企業は数多くあります。

たとえ、前職が一年未満の勤務期間だったとしても、新卒と差別化できる魅力があるはずです。企業目線での第二新卒者の懸念点を意識しながら、自分の良さをアピールしましょう。

第二新卒で本当に転職できるのか不安、転職に前向きになれないという人は、同じ第二新卒で転職を成功させた人の声を聞くのも良いかもしれません。

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