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「第二新卒」「フリーター」「既卒」それぞれの定義
「第二新卒」「フリーター」「既卒」の一般的な定義を、それぞれ見てみましょう。
第二新卒
第二新卒は、新卒で正社員として入社してから3年以内の求職者で、大学の新卒であれば25~26歳です。しかし、浪人や留年をしていたり、大学院を卒業していたりするなどして、25~26歳より年上であっても第二新卒に該当します。
ただし、第二新卒については明確な定義がありません。そのため、企業によっては年齢も考慮するなど、独自の基準を設けているところもあります。
フリーター
フリーターとは、英語のフリーランス(freelance)と、ドイツ語のアルバイター(Arbeiter)を組み合わせた造語です。厚生労働省の定義によると、15歳から34歳までの正社員や正職員以外の雇用形態で働いている人を指します。
契約社員や派遣社員、パート、アルバイトもフリーターです。ただし、学生が同じ雇用形態で働いても、フリーターには含まれません。
第二新卒とフリーターの違いは、正社員(正職員)の経験の有無です。前述のとおり、第二新卒の場合は、新卒で正社員として入社してから3年以内の求職者を指します。ただし、第二新卒で正社員を経験しても、ほかの雇用形態で働いている期間が長かったり、年齢を重ねていたりすると、フリーターとしてカテゴライズされる場合もあります。
既卒
第二新卒と同様、明確な定義はありませんが、学校を卒業した後に新卒で就職していない人が既卒にあたります。無職だけでなく、正社員以外のほかの雇用形態で働いている場合も該当し、この場合は既卒であり、かつフリーターになります。
フリーターでも卒業3年以内なら「新卒扱い」となる
何らかの理由で、学校を卒業した後も正社員にはならず、既卒やフリーターになる人は少なくありません。しかし、後から正社員をめざす場合でも、新卒や、すでに正社員の経験がある第二新卒よりは不利になります。
フリーターでも生計は立てられますが、収入は正社員よりも安定しにくく、年齢を重ねるほど、その差は顕著です。ほかにも、年齢を重ねるほど就業できる業界や職種が限られてしまい、収入もさらに減ってしまいます。
そこで、厚生労働省では平成22年(2010年)に「青少年雇用機会確保指針」を改正し、卒業から3年以内の既卒者を新卒枠で応募受付するよう、企業に呼びかけました。
実際に、既卒者を新卒枠で応募受付して採用すると、期間や人数に応じて企業に奨励金が支給されます。
あくまでも正社員として就職した経験がない既卒やフリーターが対象なので、第二新卒は対象外になります。
「第二新卒」と「フリーター・既卒」それぞれの採用ニーズ
続いて、企業側にとって第二新卒やフリーター、既卒の採用には、それぞれどのようなニーズやメリットがあるのか見てみましょう。
第二新卒の採用ニーズ
第二新卒は、正社員としての経験が最長で3年ほどあります。実績やスキルは乏しくても、その間にビジネスマナーは身についている点が有利になります。なぜなら、企業から見ると、新卒者よりもすでにマナースキルをもつ第二新卒者は、教育にかけるコストを抑えられるため、採用する際のポイントになるからです。
また、第二新卒は自分のやり方や前職のやり方には固執せず、新しい企業の社風や経営理念、方針にも順応しやすいです。
こうしたニーズがあることから、同じ第二新卒でも、1年未満の早期退職者に対しては敬遠する傾向にあります。1年未満であると、未だビジネスマナーが身についていないことと、あまりに早期退職は、「またすぐに退職する」とみなされるからです。1年未満の第二新卒者は、たとえ正社員の経験があっても、既卒とみなされる場合があります。
少なくとも1年以上勤務して、ビジネスマナーが身についてから転職を考えたほうが後々有利になります。
フリーター・既卒の採用ニーズ
フリーターや既卒も、年齢の若さゆえに新しい企業の社風や経営理念、方針に順応しやすいところが期待されています。また、正社員ほど引き継ぎの手間がかからないため、企業の希望どおりに働き始められるのもメリットです。同じ業界のフリーターであれば、正社員並みの実績やスキルを兼ね備えている場合もあります。
ただし、正社員の経験はないので、ビジネスマナーについては、企業は一から指導することになるでしょう。どれほどフリーターとして実績やスキルがあっても、正社員のほうが責任は重く、企業の一員としての自覚も必要なところが異なります。
既卒についても、新卒と同じくらい教育の手間がかかるでしょう。正社員経験の有無で、ビジネスマナーなどの社員教育を受けているか否かの部分が、第二新卒との大きな違いです。
就職活動を成功させるためには?
最後に、第二新卒やフリーター、既卒が就職活動を成功させるには、どのような点に注意すれば良いのか見てみましょう。
転職理由や就職しなかった理由は前向きに伝える
企業が第二新卒やフリーター、既卒を採用するときに、最も懸念しているのは、すぐに退職されることです。第二新卒は、3年以内で転職を考えていて、フリーターや既卒は正社員として働いた経験がないため、早期退職のイメージをもたれるのも無理はありません。面接では必ず、前職の退職理由や就職していない旨を聞かれるため、前もって心証を悪くしない答えを準備しておきましょう。
第二新卒で注意したいのは、前職の退職理由がたとえネガティブな理由だったとしても、そのままストレートに伝えてはいけないということ。不満を解消するための応募と受け取られる可能性があるからです。面接に挑んだ企業が、前職での問題を解決できるわけではなく、応募した企業でなければいけないという必然性も感じられません。前職の退職理由とあわせて、応募理由も正当性がないと採用は難しいといえるでしょう。
転職理由を前向きな理由に変換するなら、以下のように工夫が必要です。
・給与が見合わない→努力や成果を給与に反映してくれるところで働きたい
・人間関係の問題→ほかの社員とコミュニケーションを取りながら仕事を進めたい
・残業が多い→効率良く働いて、より良い仕事がしたい
正当性のある理由に変換することで、本来の自分の求める働き方だと気づく場合もあります。
フリーターや既卒が面接でよく聞かれるのは、正社員にならなかった理由です。第二新卒と違って、こちらは正直に答えても構いません。ただし、そのまま伝えて終わらせるのではなく、必ず反省した上で今後どうしたいのか説明できるようにしておきましょう。
例えば、就職活動をしていなかった場合は、「当時はやりたいことが見つからなかった」と伝えるのではなく「フリーターで働いたり、自己分析をしたりするうちに見つかった」といった具合です。明るい表情や口調で話すと前向きに聞こえるでしょう。
ポテンシャルを強調する
第二新卒やフリーター、既卒は、実績やスキル面ではなく、ポテンシャル(潜在力、可能性)を重視される傾向があります。
ポテンシャルを表すには、自分が応募したい企業で貢献できること、つまり何ができて、何をしたいかアピールすることが大事です。そのためには、応募したい企業について十分にリサーチや分析を行い、自らの経験や実績、スキルを棚卸しなければいけません。すべてを理解した上でアピールすれば、説得力をもって想いが伝えられるでしょう。
グッド・クルーでは、第二新卒やフリーター、既卒の採用を積極的に行っております。グッド・クルーが必要としているのは、「一緒に会社を作り上げていく仲間」です。面接では、「興味や関心があること」「自分がめざすことと、会社がめざすことの交わる部分」について明確にしましょう。
たとえ、自分に自信がなくても、弊社の成長実感プログラムや資格取得のサポート、メンター・メンティー制度などによって、スキルアップを目指せます。入社してから3年経つころには、自分で進路を切り拓けるようになるでしょう。
転職や正社員としての就職をお考えの際は、ぜひご応募ください。
まとめ
「第二新卒」と「フリーター」「既卒」は、正社員の経験の有無という違いがあり、企業のニーズもそれぞれ異なります。第二新卒は転職の理由、フリーターや既卒は正社員にならなかった理由を面接で聞かれるため、ポジティブに伝えられるよう、回答を準備しておきましょう。採用を強く望むのであれば、ポテンシャルを表すことも大事です。