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「第二新卒の転職は難しい」?成功率は約5割
第二新卒とは、学校を卒業して1度就職をし、数年以内に離職して転職先を探す若手求職者をいいます。すぐに退職してしまったことから、第二新卒の転職は難しいと考える人も多いかもしれません。
では、第二新卒は企業から見るとどのような評価を受けているのでしょうか。まずは、第二新卒の転職動向や需要について確認していきましょう。
第二新卒での転職成功率
厚生労働省の調査によると、年齢別の転職成功率は15~24歳で約61%、25~29歳で約50%です。
29歳までを第二新卒ととらえるのであれば、第二新卒の転職成功率は約5~6割といえます。20代前半であれば、より成功しやすいです。
第二新卒の転職は、成功の可能性が十分にあると考えて良いでしょう。
多くの企業が若手採用に積極的
多くの企業では、若手の採用を積極的に行っています。第二新卒枠として採用に力を入れている企業だけでなく、新卒採用枠で第二新卒の採用を行っている企業も少なくありません。
2017~2018年の新卒採用枠で、第二新卒でも応募可能としていた企業は、新卒採用を行った企業のうち約69%にのぼります。
参照:厚生労働省「労働経済動向調査(平成 30 年8月)の概況」
つまり、第二新卒は新卒と同様に扱われることが多く、企業が積極的に求めているといえるでしょう。
第二新卒に対して企業が求めている3要素
新卒と比較しても、第二新卒は需要が高い傾向にあります。それは、企業にとって第二新卒を採用するメリットが多くあるからです。
企業から見た第二新卒のメリットは以下のとおりです。
基礎的なビジネススキル
第二新卒は新卒として一度社会に出ており、すでに基本的なビジネススキルやマナーについての教育を受けています。
そのため、入社後に基礎的なビジネススキルから指導する必要がなく教育コストを削減することができます。
柔軟性の高さ
第二新卒は、前職で勤めていた期間が中途採用と比べて短いです。そのため、前職のルールや風土に染まっておらず、柔軟性があると判断されることも需要が高い理由のひとつです。
熱意・ポテンシャル
短期間で転職に挑む第二新卒は、目的意識が高く、良い企業への入社意欲が高いと判断されることがあります。そのため、ポテンシャル採用を積極的に行っている企業では、とくに需要が高い傾向にあるのも特徴です。
【面接編】第二新卒で転職を失敗する3つの事例
第二新卒が企業の採用活動において需要があるといっても、転職活動の準備をしっかりと行っていなければ転職に失敗することがあります。
ここからは、第二新卒で転職を失敗するパターンでよくある例を紹介します。
1.ネガティブな退職理由を伝える
前職に不満を抱えて退職した場合でも、そのことを退職理由として伝えてしまうと、面接官は「自社でも同じ理由ですぐに退職してしまうのでは」と不安を抱く可能性があります。
とくに職場環境や人間関係が理由で退職した場合、忍耐力がなく早期離職のリスクが高いと判断されて不採用になる可能性があります。
退職理由を前向きでポジティブな言い回しに変換し、企業の不安を払拭する必要があります。
2.キャリア設計ができていない
第二新卒として転職する場合、「今の職場の不満を解消したい」という理由だけで転職に踏み切るのも失敗しがちなパターンです。
将来的なキャリア設計を明確にせず、無計画なまま転職活動をしていても、企業から早期離職の可能性が高いと判断されやすくなるでしょう。
どのような働き方をしたいのか、仕事をすることでなにを実現したいのかを明確にしたうえで、転職活動に臨むことが大切です。
3.基本的な社会スキルが不足している
ビジネスマナーや社会人として必要な責任感に不安がある人も、転職活動で失敗しやすい傾向にあります。
とくに面接や選考に遅刻、無断欠席をすると、社会人として不可欠なマナーが備わっていないと判断され、採用に大きく不利になるでしょう。
その場合、転職活動そのものよりも、ビジネスマナーや社会人としての責任感を身につけることからはじめる必要があります。
【転職先探し編】第二新卒が転職を失敗する2つの事例
第二新卒として転職できても、入社してから後悔するケースは多くあります。
ここでは、第二新卒の転職にありがちな、失敗事例をみていきましょう。
1.自分に「本当に合う」職場を理解できていない
転職先を選ぶには、企業理念や仕事内容のほか、給与や待遇、社員の雰囲気などあらゆる要素を考慮しなければなりません。しかし、自己分析ができていないと、自分に合った転職先を探すことができません。
これは、第二新卒者の転職先選びで陥りやすい失敗事例です。
特に第二新卒の場合は転職に対するハードルが下がることもあります。自分にあわない企業を選んでしまったとき、入社後にギャップを感じて再び退職と転職を繰り返してしまうかもしれません。
2.企業が「求める人材」を理解できていない
企業が求める人物像を理解しておらず、ミスマッチな求人に応募してしまうことも、第二新卒にありがちな失敗のひとつです。
企業によって、第二新卒に求めることは異なります。社会人経験があることで現場での即戦力を求めている企業もあれば、コミュニケーション能力といった、汎用的なスキルに期待をしているケースもあるでしょう。
とくに、「第二新卒」の採用枠でなく、「中途採用」で受け入れているなどの場合は、とくに即戦力を求めている企業が多い傾向にあります。
万が一採用されたとしても、自分ができることと、企業が求めるスキルが異なり、会社での居心地が悪くなることもあるかもしれません。そんななかで仕事を続けるのはストレスも多く、再び退職を考える可能性もあります。
転職で失敗しない!今からできる選考対策
転職活動を成功させるためには、準備を入念に行うことが大切です。ここからは、第二新卒として転職活動をはじめる際に行うべき準備と、転職活動を進める際のポイントを紹介します。
自己分析を徹底する
転職先選びではしっかり自己分析をして、自分が活躍できる、本当に合う場所を知ることからはじめましょう。自己分析をすれば、ミスマッチを防げるほか、自分のアピールポイントが分かります。
以下のような切り口をもとに深掘りすると良いでしょう。
・モチベーションの源泉
・志向性(論理的か感情的か)
・解決策の考え方
・基本的なスタンス(慎重派か行動派か) など
自分がどのような場面でやる気が湧くのか、モチベーションのきっかけを探ることで、あなたの潜在的な「好き」を知ることができます。
また、これまでの意思決定でどのような志向性、スタンスをもってきたかを考えると、自らの価値観を客観的に捉えることができるでしょう。
ここで分かった自らの人物像を、検討している企業の事業に対する考え方や顧客に対する向き合い方などと照らし合わせます。共感できるところがあったり、自分の価値観に合っていると感じたりできる企業であれば、ミスマッチは起こりづらいはずです。
また、自己分析をする際は自分がまだ気付けていない得意分野やスキルを探すこともポイントのひとつです。実績がでていなくても、周囲からよく頼まれる仕事や褒められる仕事などはありませんか。
それらがなぜ評価されているのかを深掘りしてみると、これまでは自覚していなかった強みを見つけることができるかもしれません。
また、第二新卒は社会人経験が十分にあるわけではないので、仕事をするうえで重視すべきことや譲れない条件などを見逃しがちです。自分よりも視座の高い社会人やキャリアアドバイザーなどに相談することもひとつの手です。
転職の目的を明確にする
転職の目的を明らかにすれば、将来のキャリア設計や入社意欲のアピールにつながります。転職後にどんな働き方をしたいのか、挑戦したいことも考えてみてください。
ここで重要になるポイントは、転職したい理由ではなく、転職を決意するに至った背景です。
たとえば、あなたが給与への不満から転職を考えたとしましょう。
勤務時間の割に給料が見合わないのか、自分のスキルが不足していて収入が伸びないのか、もしかしたら会社の業績悪化によるものなのかもしれません。給与が低いという不満にも、原因となっている背景にはいくつかの理由、「背景」があります。この背景を追求してください。
どこがネックとなったかを明確化することで、求める条件や優先順位がはっきりするため、企業選びがしやすくなります。
第二新卒者の面接では、企業は必ずといって良いほど前職の退職理由を訊かれることになるでしょう。どうしてもネガティブになる転職理由は、ポジティブな理由に変えることが重要です。
人間はネガティブな感情に注目しやすい傾向がありますが、その感情は理想の裏返しであることも多いです。
たとえば、以下のように言い換えることができます。
【給料が安すぎる】
・努力や実績を認めてくれる会社で働きたい
・成果を実感しながら仕事に打ち込みたい
・正当に評価してくれる会社で思う存分実力を発揮したい など
【サービス残業が多すぎる】
・効率もおろそかにせずに仕事をして成果を出したい
・自分の成果を正当に評価してほしい
・オンとオフのメリハリをもって仕事に取り組みたい など
【職場の人間関係が悪い】
・仲間とチームワーク良く仕事をしたい
・コミュニケーションを取りながら働くのが得意
・一致団結して成果を出したい など
【上司の無茶ぶりについていけない】
・自分で目標を掲げて働きたい
・自身の意見やアイディアを活かして仕事に取り組みたい
・上司の目標に共感しつつ自分らしく働きたい など
【仕事のノルマがきつい】
・実績だけでなくお客様との関係も大事にしたい
・顧客と良い信頼関係を築きたい
・本来の業務にもっと打ち込みたい など
業界分析・企業研究をする
自分のスキルと企業の求める人物像が合ってないなどは、業界分析や企業研究で防ぐことができます。目指すキャリアや自分の強みをふまえて、業界や会社が本当に自分にあっているのかチェックしましょう。
業界分析は市況・業界特性・将来性を考える
業界分析では、市況とビジネスの構図や特徴、業界の将来性に注目してください。
業界の全体像を把握し、今現在の課題や今後の可能性を探ることが大切です。例えば、以下のように分析します。
【IT業界】
・市況:好調
・業界特性:大手システムインテグレーターが顧客から直請案件を受注し、その各工程を中小規模のシステムインテグレーターが請け負う構図が主流
・将来性:好調な状態が継続すると予想される
【不動産業界】
・市況:伸び率は鈍化しているものの依然として好調
・業界特性:不動産デベロッパー、不動産販売会社、仲介会社、管理会社などから構成され、大手企業が業界を牽引しつつ、地域密着企業もエリア特性の強みを発揮している
・将来性:好調な状態が継続すると予想される
【広告業界】
・市況:Web広告を中心に好調
・業界特性:リアルとデジタルの垣根がなくなり、大手総合広告代理店のほかインターネット広告代理店、セールスプロモーション代理店、メディアレップなどが成長している
・将来性:紙媒体の広告メディアは厳しい状況が続くものの、Web広告ではさらなる成長が期待できる
【メーカー業界】
・市況:好調
・業界特性:手がけるものにより素材、加工や組立、生産などの各メーカーに分かれており、BtoCに限定せず、BtoB製品に注力する動きも目立つ
・将来性:技術革新や海外シェアの拡大などによるさらなる成長が見込める
企業分析はあらゆるツールで探す
企業分析は、あらゆる媒体から、積極的に情報収集することが大切です。
従業員構成、社員紹介、実績、支社といった基礎情報は、企業のホームページや採用サイトからわかります。
募集職種や応募資格、給与、休日、福利厚生などの求人内容は、採用サイトや求人サイトを参考にしましょう。
企業が求める人物像は、採用サイトだけでなく生の声を聞いても良いでしょう。会社説明会やOB訪問にも前向きに参加してみてください。
自分に合った会社への転職を成功させたいなら
第二新卒の転職率は低くないものの、自分にあっている会社を探すのは大変です。自己分析や企業研究が思うように進まないなら、キャリアのサポートや人材育成に力を入れている会社で、働きながらキャリアを考えていくこともひとつの手です。
人材会社グッド・クルーでは、第二新卒の転職を積極的に受け入れ、1:1でのメンター・メンティー制度など手厚いサポート体制を整えています。
採用面接の際から丁寧なヒアリングで自己分析を助け、本当にグッド・クルーに合うか、幸せに働けるどうかを一緒に考えていきます。他の選択肢が最適と思えば、正直に伝えます。
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まとめ
第二新卒の転職は、失敗すると何度も転職を繰り返すループに陥ってしまうかもしれません。
自分がもつ資質やスキル・経験を冷静に見極めたうえで、企業になにを求めるのか、どのような働き方がしたいのかを明確にして転職活動に臨みましょう。