フリーターから正社員になるとどう変わる?
フリーターとして勤めている人の中には、正社員への転職を考えている人もいるでしょう。
フリーターから正社員になると、何が変わるのでしょうか。まずは、フリーターが正社員になるメリットを紹介します。
得られる収入が増える
毎月の得られる収入が増えます。20代では、フリーターから正社員になると月収が約40万円 上がるとされます。そして、この差は、定年退職まで年齢を重ねるほど開いていきます。
※「令和2年賃金構造基本統計調査」のデータより試算
また、フリーターは出勤時間や出勤日数によって変動する時給制のため、収入が安定しません。
しかし、正社員であれば月給制で毎月一定額が得られるため、収入が安定します。しっかりとした制度を導入している企業であれば、定期的にボーナスの付与や昇給が行われ、経済的な自立も目指せるでしょう。
待遇が良くなる
待遇が良くなることも正社員の大きな魅力です。
正社員は産休や育休などの福利厚生がフリーターよりも充実しており、待遇面で大きく優遇されています。
最大の特徴は健康保険と厚生年金に加入できる点です。全額自己負担となる国民保険と国民年金とは異なり、健康保険と厚生年金の保険料は企業と折半となり、老後の年金額が増えます。
ライフスタイルの変化や老後など、長期的に見れば正社員として働くメリットは大きいといえます。
キャリアアップできる/選択肢が増える
正社員になれば、フリーターの時よりも将来の幅が広がります。
基本的に、仕事の責任を担うのは正社員です。アルバイトやパートが担っている仕事でミスがあっても、正社員に最終的な責任が問われます。たとえ今のままフリーターとして長く勤めても、それは変わりません。むしろ、年を取るにつれてキャリアの選択肢も狭くなっていくことが多いです。
一方、正社員は年や経験を重ねるにつれて、大きな責任を伴う仕事を委ねられるなど、成長機会が多く与えられます。仕事の中で実績と経験を積めば市場価値も高まり、キャリアアップやキャリアチェンジといった選択肢を広げられます。
社会的な信用が得られる
フリーターの場合、社会的な信用を得られないために、契約や審査の際に不利になることがあります。
一方、雇用と収入が安定している正社員であれば、フリーターの時よりも社会的な信用を得やすいです。フリーターのときと比べると、以下のようなメリットがあります。
● クレジットカード発行や住宅・自動車などの各種ローンの審査に通りやすい
● アパートやマンションなどの賃貸物件を借りやすい
フリーターから正社員になれば、雇用や収入、社会的な信用といった面でさまざまなメリットが得られます。
フリーターから正社員への転職が難しいケース
正社員を目指したからといって誰でも転職できるとは限りません。
厚生労働省の調査によれば、フリーターを正社員として採用した事業所の割合は、全事業所のうち約18.5%のようです。
出典:「平成 30 年若年者雇用実態調査の概況」(厚生労働省)
フリーターから正社員への転職が難しいケースは以下の5つです。
● 空白期間が長い
● 30代以降からの転職を考えている
● 面接で入社意欲が伝わらない
● 社会人としての基本的なマインドやスキルが足りない
● 自分に合わない企業を選んでいる
それぞれの詳しい内容をみていきましょう。
空白期間が長い
フリーターであった期間を示す空白期間が長いと転職が難しくなるケースがあります。特に、年齢がネックとなる場合も多いです。
若いうちは、スキルや経験がなくても育成目的で採用される確率が高いですが、年齢が上がると実績やスキルが求められるようになります。
また、フリーター期間が長いと生活習慣の乱れから決まった時間に出勤できないことを懸念する企業も多くあります。
30代以降からの転職を考えている
30代以降から転職を考える場合、フリーターからの脱却が難しくなります。
前述のとおり、若いうちはスキルや経験がなくても育成を目的にポテンシャル採用されやすく、正社員になりやすいです。
しかし、年齢が上がるにつれて転職が難しくなり、30代を超えるとフリーターからの脱却は難しくなります。
以下の数値は、フリーターから応募してきた方のうち、事業者が実際に正社員として採用した方の年齢別の割合です。
● 15~34歳:10%
● 35~44歳:2.1%
● 15~34歳/35~44歳:3.4%
出典:「平成 30 年若年者雇用実態調査の概況」(厚生労働省)
このように、34歳を過ぎると採用確率は一気に低下します。
面接で入社意欲が伝わらない
年齢は転職に大きく影響するものの、若いからといって確実に採用されるわけではありません。フリーターから正社員へ登用する際、企業は入社意欲もチェックしています。
そのため、具体性に欠けたり、よくある志望動機だったりすると、なかなか意欲が伝わりません。フリーターから正社員を目指す場合は、「この会社でなければならない理由」をしっかりと伝える必要があります。
社会人としての基本的なマインドやスキルが足りない
社会人として基本的なマナーや身だしなみがなっていないと、よくない印象を与えるおそれがあります。
例えば、履歴書の書き方や挨拶などは社会人に必要な最低限のマナーです。しわのない綺麗なスーツを着たり、整髪などによって身だしなみを整えたりすることも社会人として必要です。
自分に合わない企業を選んでいる
プライドが高かったり、自分のスキルを過信したりして自分に合わない企業を選んでいると、就職活動が上手くいかないケースが多いです。
就職を成功させるためには、まず自分の市場価値やスキルを正確に把握する必要があります。自分の強みやスキルを言語化できるレベルまで分析できれば、活かせる企業選びに役立つでしょう。
フリーターから正社員への就職を成功させるために重要なこと
フリーターから正社員への就職を成功させるために重要なことは以下の4つです。
● 正社員になる目的をはっきりさせる
● 履歴書でしっかりアピールする
● 面接対策をする
● プロのサポートを利用する
それぞれの詳しい内容を解説します。
正社員になる目的をはっきりさせる
転職に限らず、仕事選びの際に重要なのは「目的」です。
今回のケースであれば、正社員になる目的をはっきりさせる必要があります。その目的に応じて、自分に合った企業の要素を挙げましょう。
例えば、「収入アップを目指す」ことが目的であれば、「昇進スピードが早い」「業界的に平均給与が高い」などでしょう。「スキルアップして手に職をつけたい」なら、資格取得支援制度や育成制度が整っていることが挙げられます。
「自分の目的に合った企業」という軸で転職先を絞り込むことで、ミスマッチを減らすことができます。このように、納得度を高めることも、転職成功のカギとなるでしょう。
履歴書でしっかりアピールする
誤字脱字を防ぐのはもちろんのこと、丁寧に書いて採用担当者が読みやすい履歴書を作成しましょう。
空白期間が長い場合は、相手に不安を感じさせないためにも、その理由を正直に書くことも大切です。
また、最も力を入れるべきは志望動機です。自己分析で把握した強みやスキルとともに、自分がどのように企業へ貢献出来るのか具体的に書くことも重要です。
面接対策をする
面接の対策も事前にしっかり行いましょう。フリーターから正社員となる場合の想定質問には以下のようなものがあります。
● なぜ正社員になりたいと考えたのか
● 正社員になってどのような働き方をしたいか
● 希望年収はどのくらいでしょうか
● 今後のキャリアプランについて教えてください
● 自己PRをしてください
面接は相手企業とのすり合わせの場でもあり、素直な気持ちを伝えることが何よりも大切です。ただし、面接で高い評価をもらうために必要なのは、意欲と志望度が充分に伝わることです。
同じ内容の答えでも、伝え方で印象がガラッと変わることもあるでしょう。イメージで損をすることのないよう、受け答えの練習をしておくことが重要です。
プロのサポートを利用する
「正社員になりたいけど、自信がない・・・」という方や、いまいち自分の強みが分からず転職を悩んでいる方は、転職エージェントなどに一度相談してみるのもひとつの手です。
ヒアリングから自分の強みに気付かせてくれたり、自己分析を手伝ってくれたりします。また、それをふまえて、自分に合った企業を紹介してくれます。
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まとめ
正社員雇用は収入、社会的な信用などの面でさまざまなメリットが得られます。しかし、状況によっては転職が上手くいかない可能性も高いです。
就職を成功させるためにもご紹介した就職活動のポイントをしっかりと押さえて、正社員雇用を目指しましょう。