サービス残業は当たり前ではない!今からできる3つの対処法とは

業務終了時間になっても、その日の仕事が終わっていないことは、社会人ならよくあることかもしれません。しかるべき賃金が支払われているならまだしも、もし支払いがなければ、それはサービス残業(サビ残)になります。 ただし、サービス残業には違法性があり、常態化しているのであれば企業側が早急に対策を取る必要があります。 今回は、サービス残業の実態と、サービス残業が常態化している場合の対処法を紹介します。


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サービス残業とは?どれくらいの人がしているの?

サービス残業とは、賃金が支払われない残業のことです。

労働基準法では、労働時間は休憩を除き1日8時間・週40時間以内と定められています。労働時間がそれを超過する場合は労使協定(36協定)の締結と労働基準監督署への届け出が必要です。また、残業分は別途割り増しした賃金を支払わなければなりません。

もしも適正な残業代が支払われていなければ、それはサービス残業になります。

労働者にサービス残業を行わせることは、当然ながら違法行為です。しかし、日本労働組合総連合会が実施した「労働時間に関する調査」によると、従業員の4割強がサービス残業を経験していることが分かっています。

近年、働き方や労働環境への関心から、長時間労働や残業を減らそうとする動きが活発化しています。

とはいえ、サービス残業を強いられている人は少なくありません。働き方改革によって新しい働き方が増えたことで、サービス残業が見えづらくなっている現状もあります。

サービス残業が発生する原因

サービス残業が発生する原因はさまざまですが、問題は会社側だけでなく、従業員側の意識が原因となることもあるようです。

人件費を削減するため

人件費は、業務コスト、採用コスト、育成コストに分けられます。このうち、採用コストを削減するケースでは、大きく経費を削減できます。

企業が利益追求のために、採用コストを削減して少ない社員で仕事を回そうとするケースがあります。

実際、経費の中でも人件費は削減しやすい特徴があり、最低人員で業務を回そうとした結果、ひとり当たりの業務量が膨大になり残業が発生することがあります。

雇用者の知識不足のため

雇用者に労働基準法に関する知識が不足している場合もあります。

違法であることは理解していても、雇用者自身がその重要性を認識していなければ、改善は期待できないでしょう。

「業務が終わらないからサービス残業が生じても仕方がない」「この程度なら業務・残業にあたらないだろう」などと都合の良い解釈を行っているケースもなかには見られます。

従業員側も残業が当たり前と思っているから

サービス残業が常態化している会社では、従業員自身がその文化をつくっているようなケースもあります。

特に新入社員では、入社時から先輩社員が毎日残業をしていたり、サービス残業を良しとする雰囲気があったりすると、サービス残業に疑問を感じることなく「当たり前」になってしまいます。

そのような企業の場合、「仕事が時間内に終わらない場合、サービス残業は仕方がない」と考える従業員も少なくありません。

「残業代を請求することで働きにくくなるのではないか」「周囲の人が働いているのに、自分だけ帰ることはできない」といった理由から、やむなくサービス残業を選ぶ人もいるかもしれません。

また、明文化はされていないものの、評価基準として「長時間働くこと」「率先してサービス残業を引き受けること」が含まれているような場合があります。

上司の多くが残業を毎日しているような場合は、企業全体にこのような傾向があるかもしれません。

サービス残業が当たり前になっている場合の3つの対処法

サービス残業による長時間労働が続くと、心身ともに疲弊してしまいます。

すでにサービス残業が当たり前になっている職場で、サービス残業から逃れるために取れる対処法は次の3つです。

1.会社に直接交渉する

サービス残業が発生していることを上司や人事部に直接伝えることで、業務量の調整や残業代の支給など、何らかの対応をしてもらえる可能性があります。

特定の部署のみサービス残業が発生している場合には、特に有効な方法です。

ただし、会社や人事担当者の法令遵守に対する意識が低い場合は、聞き入れてもらえないおそれもあります。状況を変えることが難しいと感じたら、他の対処法を考えましょう。

2.労働基準監督署に相談する

サービス残業について会社に交渉しても何も対応を行ってもらえない場合は、労働基準監督署に相談することも検討してみましょう。

労働監督署は会社の調査を行い、違法性が認められた場合に、会社へ「是正勧告」として労働環境の見直しを求める書類を交付します。法的な強制力をもった書類ではありませんが、指示に従わない場合に書類送検される場合もあります。

ただし、労働基準監督署を頼る場合、サービス残業を指示されたことや残業の履歴などを証明する資料を集めておかなければなりません。証拠が揃っていれば、請求日からさかのぼった2年分を請求できます。

3.思い切って転職する

サービス残業から逃れたいのであれば、転職を視野に入れるのも良いでしょう。

現職の会社でサービス残業が常態化しているなら、サービス残業を撤廃させるのは至難の業です。会社との関係が悪化するリスクもありますし、改善が見られなければストレスは一方に溜まり続けます。

サービス残業を強いられ、辛い思いをしながら働いているのであれば、自分に合った会社へ転職することも検討してみましょう。

サービス残業が多い企業の見極め方

サービス残業を避けたい場合には、サービス残業のない会社で働くことが必要ですが、サービス残業の有無は実際に入社してみないとわからない問題でもあります。

そこで、サービス残業の多い企業を見極める方法について紹介します。

サービス残業が発生しやすい業界を知る

飲食やIT、介護、保育などはサービス残業が多い傾向にあります。

いずれも慢性的な人手不足が主な原因ですが、そのほかにも、突発的な業務や時間を問わない業務、持ち帰りの業務など、サービス残業が発生しやすい特徴のある職業です。

また、採算面が厳しいことから、労働者の善意によるサービス残業に頼ってしまっている状況も多いです。やりがい搾取が起こりやすい業界の特徴でもあるため、注意しましょう。

求人情報をよく確認する

求人情報には、労働時間に関する記述があります。年収や給与、残業の有無について具体的に記載されているかどうか確認しましょう。残業なし・残業代全額支給とされていれば、サービス残業が発生している可能性は低いと考えられます。

詳しい記載がない場合や、みなし残業が設定されている場合には注意が必要です。

みなし残業とは、あらかじめ残業代を固定で定めたもので、給与に月〇時間分の残業を含むという形で記載されます。

みなし残業が設定されていても、本来その規定時間を超えた場合には会社が超過分の残業代を支払う必要があります。しかし、「固定金額以上は支払わなくても良い」という誤った解釈で、適切に処理されていない会社も少なくありません。

離職率をリサーチする

働きやすさを判断する要素のひとつに離職率があります。

サービス残業が発生している会社は、当然ながら良い労働環境とは言えないため、離職率が高くなることが予想されます。

一方、離職率の低い職場は働きやすいことでもあり、サービス残業は少ないと考えられるでしょう。

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まとめ

サービス残業が発生することは、当たり前ではありません。我慢したままでは、ストレスが溜まるばかりか、心身の不調を招くリスクも高まるでしょう。

もしサービス残業が辛いと感じているなら、会社や労働基準監督署へ相談するか、思いきって転職を検討することをおすすめします。自分に合った働き方を叶えるための転職なら、「グッド・クルー」をご検討ください。