市場価値が重要な理由
転職において、市場価値は非常に重要な要素とされています。ここでは、そもそも市場価値とはどういうものか、なぜ市場価値が重要視されているかを説明します。
市場価値とは
市場価値とは、読んで字のごとく「市場における価値」のことです。ここでいう価値とは、「人材が市場でどの程度必要とされているか、同じような人材はどの程度いるのか」という意味になります。
人材の市場価値は、「需要」と「供給」の2つの要素から決まります。需要とは「どれくらい必要とされているか」、供給とは「同じような人材はどのくらいいるのか」という意味です。
市場価値が高いとは、簡単にいうと「他社からみて価値がある」状態です。市場価値は他社からの目線で決まるため、企業によって人材評価は大きく異なってきます。
市場価値の必要性とは
市場価値が重視される理由は、大きく2つあります。
キャリアショックが訪れる可能性
1つ目は、社会の動きによってキャリアが破綻する可能性があるためです。例えば、新型コロナウイルスの影響を受け、多くの企業が経済的損失を被り、職を失った人は多くいます。
さらにこれからの時代では、コロナウイルスのような想定外の出来事が次々に起こるといわれています。今後の転職に備えて、また、理想のキャリアを実現するにあたって、誰もが市場価値を高める必要があるでしょう。
成果主義の導入
2つ目は人材の評価基準が、成果主義へと変わっていくためです。
従来は年功序列制度が一般的でした。しかし、労働人口の減少や年齢構成の変化により、コストダウンや成長性をふまえて成果主義を導入している企業が増えています。
そのため、将来的には評価制度や基準が変化し、給与体系や組織体制も変わっていくことが予想されます。実力があり成果を出す人が、市場で求められていくことになるのです。
市場価値を構成する3要素
市場価値を決める基準は、大きく3つが挙げられます。ここでは、3つの要素をひとつずつ解説していきます。
要素1:スキル
スキルや資格は、市場価値において重要な要素です。「自分に何ができるか」を客観的に示すことができるため、転職活動において最も多用されるアピールポイントになります。
スキルは、仕事を遂行するのに必要な能力だけではありません。コミュニケーションやマネジメントなどの対人関係を円滑にするスキルや、論理的に考えるスキルなども重要です。
こうした汎用的なスキルが高いと、企業や業界を選ばず活躍できる人材とみられ、評価されやすくなります。
要素2:経験
これまでのキャリアで積んできた経験は、面接の際に必ず聞かれます。この際、企業が聞きたがっているのは、「考え方・行動の傾向・プロセス」の3つです。困難や課題をどう捉えて、どう解決してきたかを論理的に説明できるかがカギになります。
経験は、成功からしか学べないものではありません。失敗から学んだ経験もアピールには使えるため、どんなことがあったか、どのような役割を担ったのかなどを説明できるようにしておきましょう。
要素3:再現性
多くのスキルや経験を持った人材でも、必ず他社で通用するわけではありません。そこで、再現性が重視されます。再現性とは、業界や業種、会社が変わったとしても活躍できるかという指標です。
再現性に必要な能力は、物事を俯瞰でとらえて判断を下せる能力や、用意された仮説や課題を解決するまでの工程設計力が挙げられます。そのほかにも、他社を巻き込んでチームを構築し、行動につなげていく能力などがあります。
市場価値の高い人とは?
市場価値が高いといわれる人には、共通した特徴があります。ここでは、主な2つを紹介します。
ニーズに合うスキルを持っている人
市場価値とは、他社がどういった人材を求めるかという需要によって決まります。すなわち、企業のニーズに合ったスキルや経験を有していると、必然的に市場価値は高くなっていきます。
注意すべきは、業界や職種によってニーズは大きく異なるという点です。例えば、専門性の高い業種なら経験や職歴が重視され、営業やコンサルといった職業ならコミュニケーション能力やスケジュール管理能力が重宝されます。
また、同じ業界でも、事業のフェーズや社風によって異なる場合があるため、ニーズを把握する際には企業分析・業界分析が必要です。
複数のスキルを持っている人
スキルには業務を遂行するための「テクニカルスキル」、対人関係を円滑にする「ヒューマンスキル」、物事の本質をとらえて問題を解決する「コンセプチュアルスキル」の3種類があります。
これら3つのスキルを合わせて「ポータブルスキル」といい、どんな企業や仕事でも重要視されています。これに加えてどんな業界を選ぶか、どんな経験があるかによって、市場価値は大きく変わってきます。
基本的に、多くの企業が求めるスキルを持つ人材は、市場価値が高いです。テクニカルスキルだけでなく、ヒューマンスキルやコンセプチュアルスキルを高められれば、人材としての価値も上がるといえます。
また、自分の年代に求められるスキルを持っているかも注意すべきポイントになります。例えば経験の少ない20代なら基礎的なビジネススキルを、30代なら経験や実績を、40代になると管理能力を求められるようになります。
一般的に年代が上がるごとに、自分の業務遂行能力よりも対人関係のスキルが求められるようになってきます。3~40代では仕事は「できて当たり前」であり、それ以外の対人関係のスキルが大きな評価点となるためです。
市場価値を高める方法!転職に有利な人材になろう
転職を有利に進めるには、市場価値を高める必要があります。ここでは、市場価値を上げるための代表的な3つの方法を紹介します。
求められるスキルを磨く
現在の市場で、自分の年代に求められるスキルは何かを見極め、それを習得する方法です。新しい業務や経験を積み、新しい知識・技術を積極的に吸収する姿勢を持てば、将来にわたって必要とされる人材に近づきます。
ただし、市場は時間とともに変化します。求められる知識やスキルも変化していくため、今後どういった人材が求められていくかを、意識していく必要があります。
自分の実績を言語化する
転職活動の際、実績をあらかじめ言語化しておけば、自分のスキルや経験を客観的に把握することができます。
また、転職活動時の自己PRでも、話に具体性や説得力が出てきます。採用担当者にも自分のスキルや経験を伝えやすくなるため、事前に実績を言語化しておくのをおすすめします。
キャリア形成支援サービスを利用する
何から手を付けていいかわからない場合は、自分のキャリア形成のサポートをしてくれるサービスを利用すると良いでしょう。
キャリア支援形成サービスなら、人材会社「グッド・クルー」がおすすめです。
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まとめ
市場価値とは人材がどれくらい企業に求められているかを表す指標であり、市場の状態によって大きく変わっていくものです。
市場価値はスキル・経験・再現性の3要素から構成され、また企業のニーズに合う要素を有している人材ほど評価される傾向にあります。
市場価値を上げるには、積極的に学ぶ姿勢をもち、自分のことを理解してアピールしていく努力が必要です。