大企業を辞めるのがもったいないのはどうして?
まずは、大企業を辞めるのがもったいないといわれる理由として、大企業を辞めるデメリットについて紹介します。
収入が減ってしまう
大企業は、中小企業と比較して年収が高い傾向にあります。また、賞与も比較的多く、ボーナスや退職金が中小企業よりも大きな金額になることは少なくありません。
大企業を辞めると収入が減るおそれがあるため、給与面での不安を考えると、辞めるのをもったいないと感じることがあります。
手厚い福利厚生がなくなる
企業が社員に提供している福利厚生も、大企業は中小企業と比較して充実している傾向にあります。
住宅手当、子育て手当などの各種手当が給与にプラスして支給されることもあるでしょう。また、休暇制度が充実している企業であれば、連休、有給なども取得しやすい環境が整っています。女性の働きやすさに着目している企業も多く、出産・育児休暇が取得しやすいほか、時短勤務やリモートワークを導入している場合もあります。
ずっと大企業で勤めていると、これらの充実した福利厚生が当たり前のように感じてしまうかもしれません。しかし、大企業を辞めることになれば、整った制度や環境で働けるとは限りません。
不便を感じるだけでなく、自己負担出費が増加することもあるので、よく検討しなければなりません。
社会的な信用度が低くなる
大企業に勤めている人は社会的な信用度が高く、住宅ローンやクレジットカードなどの審査に通りやすい傾向があります。
一方、大企業を辞めると、ローンの申請が下りにくくなったり、借り入れに苦労したりと、社会的な信用度が低くなる可能性がある点にも注意しなければなりません。
また、社会的信用度は企業に対してだけでなく、プライベートにも影響することがあります。
大企業は認知度が高く、ネームバリューもあります。勤めていることで、周りに安心感を与えられたり、理解を得やすくなったりすることもあるでしょう。そのような信頼を得にくくなることも、デメリットのひとつです。
スキルアップがしにくくなる
大企業では、各種研修や資格取得サポートなどの人材育成制度も充実している企業が多いです。
スキルアップの過程で、難しい業務にチャレンジをしても、大企業であればフォローしてもらえる環境が整っていることが多いです。
一方、中小企業やベンチャー企業の場合、人材育成に大企業ほどコストをかける余裕がない場合が多いため、自分自身の手でスキルを身に付けていく必要があります。自ら積極的に提案し、行動しなければ成長機会は得られません。
大企業のように手厚いサポートを受けられる場所から離れることは、実践的な経験を積む際の弊害になるおそれもあるため注意しましょう。
大企業を辞めるか悩んでいるときに考えたいこと
ただし、大企業を辞めることはデメリットばかりではありません。
辞めるかどうか悩んでいるなら、雇用制度や転職事情について知っておくといいでしょう。
ここからは、大企業を辞めるか悩んでいるときに考えておきたいポイントや、辞めることで得られるメリットについて紹介します。
終身雇用制度は崩れつつある
これまでの日本では「終身雇用制」と呼ばれる、一度就職した企業に定年まで勤め続けるという就労方法がスタンダードでした。
しかし、働き方の多様化や景気低迷など、さまざまな要因から、企業の終身雇用制度は崩れつつあります。大企業であっても早期退職を募ったりリストラしたりすることは、それほど珍しいことではありません。
そのため「大企業に勤めているから定年まで安心、安泰」といえる時代ではなくなっていることを認識しておく必要があります。
大企業を辞めてもまた戻るという道もある
会社を辞めて転職したのち、以前働いていた会社に戻ることを「出戻り転職」と言います。人口減少や高齢化の問題から人手不足が深刻化しており、大企業では一度退職した社員の再雇用に積極的なところも多くあります。
そのため、大企業を辞めたあとに、ほかの企業でスキルや経験を積み、元の会社に戻るという道もあります。
出戻りは歓迎されないイメージをもつ人もいるかもしれませんが、一度働いた経験があるぶん、ミスマッチが起きにくく、即戦力として働ける点で有利になる場合も多いです。中には、実績を認められ、社長や経営陣からの打診を受ける人もいますが、自ら求人に応募して再就職を叶える人もいます。
大企業を辞めるべきか悩んだときは、将来的に戻ってくる可能性も視野に入れて検討してみても良いでしょう。
場合によっては、別の企業でスキルや経験を積むことで、待遇が向上する可能性があるかもしれません。
中小企業でも安定した生活は可能
日本の企業のほとんどは中小企業であり、働き手の約69%は中小企業の給与水準で生活をしています。
(出典:「中小企業とは 日本企業の99.7%」日本経済新聞)
中小企業でも安定した生活は可能です。「大企業でなければ生活に影響が出るのではないか」という先入観を捨て、一度冷静に給与や待遇、自分の生活に必要な給与などを算出して検討してみると良いでしょう。
また、企業によっては「副業可」としているところもあるため、給与に不安がある場合は、スキルアップを兼ねて副業をはじめてみるのも良いのではないでしょうか。
人間関係がリセットされる
大企業では多くの上司、同僚、部下と接するため、人間関係に悩みを抱えている場合もあるでしょう。ライバルと成績を競い合うプレッシャーや大きな組織の一員であることによる同調圧力が強い負担になっていることもあります。
そのような人にとっては、大企業を辞めることで人間関係がリセットされ、肩の荷が下りるでしょう。
ただし、社内で仲の良かった人や、高い倍率を潜り抜けてきた優秀な同期などとの交流も減り、接点がなくなるおそれがあるため、慎重に検討することが大切です。
仕事のやりがいや楽しさを重視できる
部署の多い大企業では、戦略的な人員配置によって自分が望んでいない部署へ配属されることも多くあります。場合によっては転勤を余儀なくされることもあるでしょう。
そのため、希望の業務に携わることができず「やりがいを感じられない」「仕事を楽しむことができない」など、仕事を続けるモチベーションが維持できなくなるかもしれません。
そのような場合は、大企業を辞めて新たな活躍の場を探すことで、やりがいのある仕事に就ける可能性があります。
時間が経つほど転職の難易度は上がる
大企業を辞めるべきか悩み続けながら転職に踏み切れないままでいると、年齢にともなって転職が難しくなります。
年齢が高くなるほど、専門的な知識やスキル、経験に加え、管理職に必要なマネジメントスキルなどが求められる傾向にあるためです。
社員が多くいる大企業では、管理職になるのは一部の社員に限られ、マネジメントスキルを身に付けることが難しいでしょう。実務経験がないことから、転職で不利になるおそれもあります。
そのため、最終的に大企業を辞める判断をするのであれば、早めに転職を決断した方が転職先を探しやすくなるでしょう。
【大企業を辞めて転職するなら】重要な3つのポイント
ここからは、大企業を辞めて転職する際のポイントを3つ紹介します。
なぜ辞めたいのか理由をじっくり考える
大企業を辞めるべきか悩んだときは、まず、なぜ辞めたいと感じているのか理由を掘り下げることが大切です。
会社の方針や考え方が合わないと感じた場合や、他にしたいことが見つかった場合は、転職を積極的に考えてみると良いでしょう。
ただし、辞めたい理由によっては、退職せずに解決できることがあります。
たとえば、部署内に合わない社員がいて悩んでいる場合は、人事部へ部署移動や配置転換を願い出ることで、悩みを解消できるかもしれません。パワハラやセクハラで悩んでいる場合は、社内の相談窓口や労働基準監督署の総合労働相談コーナーにて相談が可能です。
一度大企業を辞めたい理由を明確にし、相談できる人はいないか、本当に退職すべき理由かどうかを自分自身に問いかけてみることをおすすめします。
情報を収集して整理する
大企業を辞めて転職活動をはじめるのであれば、自分の転職理由と照らし合わせ、それが実現できる企業かを判断することが重要です。
まずは情報収集を行いましょう。会社のビジョンや業務内容、評価制度、福利厚生、業界の将来性などを理解したうえで志望先を決定します。
また、ミスマッチを防ぐには、自分自身の市場価値を客観的に分析する必要があります。
自分のできること、やりたいこと、もっているスキルや経験、会社に求めることなどを整理し、転職の実現可能性を見極めると良いでしょう。
会社と自分とを客観的に分析すると、今後転職するにあたって必要な行動も見えてきます。
「市場価値を高めるにはもう少し〇〇のスキルが必要」「自分のスキルは〇〇の業界で需要がある」など、整理した情報から転職のタイミングや業界を判断することもできるでしょう。
プロのサポートも活用する
大企業を辞めて転職活動を進めるのであれば、キャリア形成のサポートを受けるのもおすすめです。
自分に足りないスキルを補い、アピールしたいスキルをさらに伸ばしていくための支援が受けられます。
キャリア形成の支援や転職活動のサポートを受けるなら、グッド・クルーへの応募をぜひご検討ください。
グッド・クルーでは、入社後、月に1回「成長実感プログラム」の研修を実施し、簿記、ITパスポート、販売士などの市場価値の高い資格取得のサポートを行っています。
メンター・メンティー制度により、キャリアプランや目標設定についての相談も可能です。「自分が将来何を目指したいのか明確でない」という方にとっても、自分のキャリアを前向きに考えていける環境が整っています。
グッド・クルーの充実した教育や研修制度を活用することで、希望の転職や転職後のスキルアップを目指すこともできるでしょう。
「大企業を辞めるのはもったいないけど悩んでいる」「自分の市場価値を客観的に知りたい」など、キャリア形成でお悩みの際には、ぜひ一度お問い合わせください。
まとめ
「大企業を辞めるのはもったいない」と言われるように、大企業を辞めるデメリットはいくつかあります。
転職を迷ったときは、退職したいと感じた理由について再度考えてみましょう。
転職によって理想のキャリアプランや働き方が実現できそうかどうか、辞めるべきタイミングは今なのかを冷静に検討することが大切です。